多言語サイトをEU向けに展開したい企業必見|GDPR対応を含めた構築のポイントと費用感

「海外、とくにEU圏のユーザーにもサービスを使ってもらいたい」——そう考えて多言語サイトの構築を検討しているなら、あわせて知っておいてほしいのがGDPR(一般データ保護規則)への対応です。

「GDPRって名前は聞いたことあるけど、うちには関係ないかな」と思っている方も多いのですが、実はEU在住のユーザーにサービスを提供しているなら、日本企業でも対象になります。

対応が不十分なまま公開してしまうと、高額な制裁金やブランドへの悪影響につながることも。この記事では、多言語サイトの構築を検討している企業の担当者・経営者の方に向けて、GDPRの基本から対応の全体像、構築時のポイント、費用感までできるだけわかりやすくお伝えします。

そもそもGDPRとは?日本企業にも関係する理由

GDPR(General Data Protection Regulation)とは、EUが2018年5月に施行した個人データ保護に関するルールです。
氏名・メールアドレス・IPアドレス・Cookie情報といった「個人を特定できる情報」の取り扱いについて、細かく基準が定められています。

「EU域内の法律だから、日本企業には関係ないでしょ」と思われがちなのですが、
実際にはEU在住のユーザーに向けてサービスを提供している場合、会社がどこにあるかに関わらず適用されます。

たとえば、次のようなケースが該当します。

  • サイトをフランス語・ドイツ語などに対応させ、EU圏のユーザーが使える状態にしている
  • EU圏のユーザーからお問い合わせや会員登録を受け付けている
  • Google Analyticsなどのトラッキングツールを使ってEU在住ユーザーのデータを取得している
  • EU圏向けに広告を配信している

「うちはまだ小規模だから大丈夫」ということもなく、GDPRは企業の規模を問わず適用されます。
多言語サイトを立ち上げる前に、「GDPR対応をどうするか」を設計の段階から考えておくことが大切です。

多言語サイトとGDPRの関係性

日本語のみのサイトとの違い

日本語だけのサイトであれば、主に日本の個人情報保護法への対応を考えればOKです。
でも多言語サイトの場合、アクセスしてくるユーザーの国籍・居住地が広がるぶん、各国の法規制も視野に入れる必要があります。

EU向けを意識した多言語サイトは、最初からGDPR準拠を前提に設計・構築しておくのが理想です。
「あとからGDPR対応が必要だとわかった」となると、修正の工数も費用もかなり膨らんでしまいます。

言語・地域ごとに異なる対応が求められるケース

さらにやっかいなのは、同じEUの中でも、国ごとに解釈や追加要件が異なることがある点です。
たとえばフランスにはCNIL(情報処理と自由に関する国家委員会)という監督機関があり、Cookie同意の取り扱いに独自のガイドラインが存在します。

また、ユーザーの言語・地域に応じてCookie同意バナーやプライバシーポリシーを適切な言語で表示することも求められます。
「英語のバナーを全世界共通で出しておけばいい」というやり方では、コンプライアンス上十分とはみなされません。

ポイント

多言語サイトは「複数の国の法律が絡み合う」という複雑さがあります。だからこそ、設計段階から法的要件を理解して動けるパートナー選びが、後々の安心につながります。

多言語サイト構築で対応すべきGDPRの具体的な項目

では、具体的に何を対応すればいいのでしょうか。主要な項目を順番に見ていきます。

① Cookie同意バナーの設置と言語別の出し分け

GDPRでは、ユーザーの明示的な同意なしにCookieや追跡ツールを使うことを原則禁止しています。
EUユーザーがサイトにアクセスしたとき、Cookieの使用目的を説明して同意を取得するバナーを表示する必要があります。

ここで気をつけたいのが「言語別の出し分け」です。フランス語ページにアクセスしたユーザーにはフランス語で、ドイツ語ページにはドイツ語でバナーを出す、というように対応が求められます。

同意の取り方にも注意が必要で、「ページを見続けることで同意とみなす」という方式はNGです。ユーザーが自分でボタンをクリックして同意する仕組みが必要になります。

② プライバシーポリシーの多言語化

GDPRでは、プライバシーポリシーに書くべき内容が細かく定められています。
日本語のプライバシーポリシーをそのまま翻訳しただけでは不十分で、GDPRが求める項目(データ管理者の情報、保存期間、ユーザーの権利など)を漏れなく盛り込む必要があります。

また、「明確でわかりやすい言葉」で書くことも求められています。専門用語が並ぶだけの難解な文章はNGです。
各言語で、読んだ人がちゃんと理解できる表現に仕上げることが大切です。

③ お問い合わせ・会員登録フォームでの同意取得

個人情報を入力するフォーム(お問い合わせ・資料請求・会員登録など)では、プライバシーポリシーへの同意チェックボックスを明示的に設置することが必要です。
チェックボックスはデフォルトでオフにしておくのがルールで、最初からチェックが入っている状態はGDPR違反になります。

④ データの取得・保存・削除に関するルール

GDPRは「必要最低限のデータだけ集める」という考え方を基本としています。サービスの目的に本当に必要なデータだけを取得するよう設計することが求められます。

また、ユーザーには「自分のデータを確認する権利」「削除を求める権利(忘れられる権利)」「訂正を求める権利」などが認められています。
削除要求があったときにきちんと対応できる仕組みを、システム側にあらかじめ組み込んでおく必要があります。

GDPR違反が起きたときのリスクと実際の事例

制裁金の上限は「売上高の4%」

GDPRの罰則はかなり重く、違反の内容によっては最大「全世界売上高の4%」または「2,000万ユーロ(約30億円)」のいずれか高い方が制裁金として科される可能性があります。

有名企業が巨額の制裁金を受けた事例はすでにいくつも出ており、GDPRは「名目だけのルール」ではなく、本当に執行されている規制です。

⚠ 「うちは小さい会社だから大丈夫」は通用しません

大企業の事例ばかりが話題になりますが、中小企業や個人事業主への警告・摘発事例も増えています。規模の大小に関係なく、EUユーザーのデータを扱うなら対応は必要です。

金銭的なリスクだけではない

制裁金のほかにも、信頼の失墜・メディア報道・取引先からの契約解除など、ビジネス全体に影響が及ぶ可能性があります。
BtoB向けサービスでは、取引先企業からGDPR対応の証明を求められるケースも増えてきています。

対応コストより違反したときのコストのほうが圧倒的に大きい——これがGDPR対応を後回しにしてはいけない一番の理由です。

自社対応と制作会社への依頼、どちらがいいか

自社対応が難しいケース

GDPR対応を自社だけで完結させようとすると、こんな壁にぶつかりがちです。

  • 法律・規制の解釈を正確に理解するための専門知識が必要
  • Cookie同意システムの実装や言語別出し分けには開発スキルが必要
  • 各国語のプライバシーポリシー作成・確認に時間とコストがかかる
  • 法改正やガイドライン更新への継続的なフォローが必要

Web担当者がいても、GDPRの法的知識と技術的な実装力を両方持っているケースはなかなかありません。
「とりあえずバナーを付けた」程度の対応では、本当の意味でのGDPR準拠にはなりません。

制作会社に依頼するメリット

多言語サイトの構築実績がある制作会社に依頼することで、こんなメリットがあります。

項目 自社対応 制作会社への依頼
法的要件の把握 自力でキャッチアップが必要 実績・知見をもとに的確に対応
Cookie同意の実装 開発リソースが必要 設計から実装まで一括対応
多言語プライバシーポリシー 翻訳・内容確認が個別に必要 GDPR要件を踏まえた作成が可能
対応漏れのリスク 見落としが発生しやすい チェックリストで網羅的に対応
スピード 学習コストがかかる 経験があるため迅速に対応できる

制作会社を選ぶときは、「多言語サイトの構築実績があるか」「GDPR対応の経験があるか」を確認しておくと安心です。
Laravelなどの開発力に加えて、法的要件の知識も持つパートナーに任せることで、後から慌てることがなくなります。

多言語サイト+GDPR対応の構築費用・期間の目安

「実際どのくらいかかるの?」というのは、依頼を検討するうえで一番気になるところだと思います。
あくまで目安ですが、規模感ごとの費用感を整理しました。

規模 概要 費用目安 期間目安
小規模 コーポレートサイト・LP(2〜3言語) 50〜150万円 1〜2ヶ月
中規模 サービスサイト・ECサイト(3〜5言語) 150〜400万円 2〜4ヶ月
大規模 Webアプリ・プラットフォーム(5言語以上) 400万円〜 4ヶ月〜

※あくまで概算です。機能要件・デザインの複雑さ・GDPR対応の範囲・言語数によって変わります。

GDPR対応を含む場合の追加コストについて

Cookie同意システムの実装、多言語プライバシーポリシーの作成、フォームの同意取得設計などを含める場合、20〜80万円程度が追加で発生するケースが多いです。使用するツール(自社実装 vs 外部サービス活用)によっても変わりますので、まずはご相談のうえ要件を整理するのがおすすめです。

まとめ:EU展開の多言語サイト構築はプロに相談を

ここまで、多言語サイトとGDPRの関係について見てきました。最後に要点をまとめます。

  • EU在住ユーザーにサービスを提供するなら、日本企業でもGDPRの対象になる
  • 多言語サイトは言語・地域ごとにCookie同意バナーやプライバシーポリシーを適切に出し分ける必要がある
  • GDPR違反の制裁金は最大「全世界売上高の4%」と、かなり高額になりうる
  • 対応範囲が広く複雑なため、実績のある制作会社に任せるのが安心・確実
  • 設計の段階からGDPR対応を考慮しておくことが、後からの手戻りを防ぐ近道

多言語サイトの構築は、翻訳を足すだけでは完成しません。法的要件・技術要件・UI/UXが三位一体で設計されてはじめて、安心して使えるグローバルサイトになります。

「自社の場合、何から手をつければいいか」「どんな対応が必要か」など、気になることがあればお気軽にご相談ください。

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